ブームだったのに… 「バイオポスドク」に受難の季節
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/157008/
「ブームだったのに…」という言葉には、身に覚えがあります。
私もその「バイオブーム」の乗せられ、とある関東の大学の分子生物学科に入学しました。
入学は1998年で同期は約100名。
そのうち3割が4年間の大学卒業時に就職しました。
理系の学生は大学院まで進学しなければ、専門職での就職は厳しいと言われていますが
たしかに学部卒業生は全く関係ない分野に就職する人が多かったように思います。
ゲーム制作会社やコンサル系、Sier系などなど。
私の記憶では周りには製薬会社に就職した人はいなかったように思います。
食品系には何人かいました。
さて、問題は大学院修士課程(博士課程前期)に進んだ人たちです。
就職は2004年4月になりますが、就職活動は2002年の8月から始まります。
バイオポスドクほどではありませんが、まだ就職氷河期の最中でもあり、研究職の新卒採用人数は
非常に少なく、多くの企業では1桁人でした。
採用試験で会った、多大学の人たち(日本最高学歴の大学の人も)も、かなり厳しいと話をしていました。
そんな中、あまり優秀とは言えない私は希望していた食品会社の研究職に就くことはできず、今はSierでSEをしています。(そのおかげでいろいろ勉強できているので良しとします。)
小さいころからなんとなくイメージしていた「研究者」になることはありませんでした。
大学院の同期はというと、研究職に就けたのは数人です。
大学に入学した同期100人の1割にも満たない人数です。
(100人の1割は博士課程後期に進みます。)
その他の入社先といえば、MR、臨床開発、SE、コンサル、出版など。
製薬関連でいえば、薬学科には勝てず、IT系関連では情報系学科には勝てず、
なんとも中途半端です。
仕事をするときに学生時代で学んだ専門はあまり役に立たないとは言いますが
もちろん物事の考え方や、プレゼンテーションの方法などは学問分野に変わらず
役に立ちます。
とはいえ、学生時代で学んだ分野の延長で就職する場合は、
バックグラウンドがあるということで多少なりとも有利だと思います。
大学としては少子化の流れから、学生を増やし生き残るための策を練っています。
「バイオブーム」に乗って、バイオの夢を語り、学生に夢を与えることは悪いことはではありません。
バイオは夢のテクノロジーであることは確かです。
ただ、国も大学も、夢の仕事に就きたい人たちの夢をかなえられるようにもう少し努力していただきたいものです。
(まずは一番言われている、日本のバイオ関連研究に充てられる予算が海外と比較して少ないことからですかね。)
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